MetaとBroadcom、カスタムAIチップ「MTIA」を共同開発——2029年まで複数ギガワット規模の展開へ
🔑 ポイントまとめ
- MetaとBroadcomが2029年まで延長する多世代・長期パートナーシップを締結
- 業界初の2nmプロセスを採用したAIアクセラレータを共同開発
- 初期展開規模は1ギガワット(GW)以上、将来的には数GW規模へ拡大予定
- MTIAチップは推薦アルゴリズムと生成AIの両方に対応した専用設計
📌 背景:MetaのカスタムチップAI戦略
Metaは2023年に独自AIアクセラレータ「MTIA(Meta Training and Inference Accelerator)」の初代モデルを発表して以来、NVIDIAやAMDなどのサードパーティGPUへの依存を減らし、自社AIインフラの主導権を握る戦略を進めてきました。
今回のBroadcomとの拡大パートナーシップは、その戦略の中核をなす重要な一手です。ザッカーバーグCEOは声明の中で次のように述べています。
「Broadcomとチップ設計・パッケージング・ネットワーキングにわたって協力し、数十億人に”パーソナル超知性”を届けるために必要な巨大コンピューティング基盤を構築していく。」
🤝 今回の提携内容:何が決まったのか
① 2029年まで延長する長期契約
BroadcomとMetaは、MTIAチップを支える技術の提供について2029年までの多世代にわたる戦略的パートナーシップを締結しました。単なるチップ供給にとどまらず、継続的なシステムレベルの最適化と将来に向けたR&Dも含まれます。
② 業界初・2nmプロセスのAIアクセラレータ
今回開発される次世代MTIAチップは、AIチップとして業界初となる2nmプロセスを採用します。BroadcomのXPUプラットフォームを基盤に、ロジック・メモリ・高速I/Oを緊密に統合した設計となっています。
③ 1GW超の初期展開、将来は数GW規模へ
初期のインフラ投資は1ギガワット以上の電力規模からスタートし、2027年以降には複数ギガワット規模へ段階的に拡大する計画です。これはMetaが2026年度に予定する1,350億ドル超の設備投資の一環に位置づけられます。
④ Broadcomの技術スタック全体で協力
Broadcomは自社のXPUプラットフォームと先進的なイーサネット技術を軸に、以下の領域で包括的に協力します:
- チップ設計・コデザイン
- 先進パッケージング技術
- 高帯域ネットワークインフラ(スケールアップ・スケールアウト対応)
- 光接続ソリューション
📦 MTIAチップのロードマップ(2026〜2027年)
Metaは2026年3月に4種類の新MTIAチップを発表しており、今回の提携はその量産・展開加速を目的としています。 モデル主な用途時期 MTIA 300ランキング・推薦アルゴリズムのトレーニング2026年(生産中) MTIA 400生成AI推論(全ワークロード対応)2026年 MTIA 450生成AI推論(HBM容量2倍)2027年初頭 MTIA 500生成AI推論(大容量メモリ・低精度処理強化)2027年後半
全チップはオープンソースのRISC-Vアーキテクチャを採用しており、ロイヤリティなしで設計できる点が開発サイクルの短縮に貢献しています。
📈 株式市場への影響
この発表を受け、Broadcom(AVGO)の株価は時間外取引で3%以上上昇しました。MetaはNVIDIA・AMD・Armなどとも大型契約を締結しており、今回のBroadcomとの提携はその一連の動きをさらに強化するものです。
🔍 まとめ:なぜこれが重要なのか
MetaのMTIA戦略は、単なるコスト削減ではありません。WhatsApp・Instagram・Threadsなど数十億人のユーザーにリアルタイムの生成AI機能を届けるためのインフラ主権の確立を目指しています。
BroadcomとのパートナーシップによってNVIDIA依存からの脱却が加速し、AI半導体市場の勢力図に大きな変化をもたらす可能性があります。今後のMTIA展開と2027年以降の複数GW規模の稼働に注目です。
参考:GlobeNewswire, SiliconANGLE, Benzinga, Quiver Quantitative(2026年4月14〜15日)
